「日常からビジネスを生み出す」シリーズ
~日常の「気づき」をビジネスの原石に変えるには~

ちょっとした不便や「これあったらいいのに」という思い。
それは、もしかするとあなたにしか見えていない“市場のサイン”かもしれません。
● ビジネスは「ひらめき」より「観察」から
起業アイデアと聞くと、革新的な発明や誰も思いつかない仕組みを考える必要があると思われがちですが、実はそうではありません。
実際、多くの成功したビジネスは、身の回りの課題や不便を丁寧に観察し、そこにあるニーズを満たすことで生まれています。
たとえば:
- 料理が苦手な一人暮らしのための「1人前レシピサービス」
- 通勤途中に気軽に立ち寄れる「駅ナカ朝食専門店」
- おばあちゃんの手作り布マスクが地域で話題に
これらはすべて、特別な技術や大きな資本がなくても、誰かの「困った」を見つけて解決しただけの事例です。
● 良いアイデアは「自分自身の経験」から見つかる
一番強い起業のタネは、「自分が困ったこと」「自分が心から欲しかったもの」にあります。
- 子育て中で不便に感じたこと
- 趣味で作っていたものが周囲に好評だった
- 日々の仕事の中で「もっと効率よくできないか?」と考えたこと
これらは他人にとっても価値がある可能性が高く、共感されやすく、応援も得やすいビジネスになり得ます。
● ペルソナ設定とニーズの具体化
アイデアが浮かんだら、次にやるべきは「誰のためのアイデアか?」を明確にすることです。
ここで役立つのがペルソナの設定です。
例:
- 名前:田中陽子さん(仮名)
- 年齢:34歳、共働き・子育て中
- 悩み:忙しくて料理に時間がかけられない。でも健康は気になる。
- 行動:毎日インスタで時短レシピを検索
このようにリアルに設定することで、「この人が喜ぶサービスとは?」という視点が持てます。
● 小さくテストして、反応を見る
最初から完璧なサービスを作る必要はありません。むしろ、「小さく始めて反応を見る(=検証)」方がリスクが少なく、修正もしやすいです。
- SNSでアンケートをとってみる
- 周囲に試してもらってフィードバックをもらう
- 試作品を小規模に販売してみる(フリマアプリ、オンラインショップなど)
この「小さく検証→改善」の繰り返しが、良いビジネスへと育てていく道筋になります。
● まとめ:事業のタネは、思ったより近くにある
「自分の身近な困りごとなんて、ビジネスになるの?」と思うかもしれません。
でも、その違和感や“もっとこうだったらいいのに”は、多くの人が抱えるニーズと重なっている可能性があります。
大切なのは、それをただの不満で終わらせず、「誰かの役に立つカタチ」に落とし込もうとする視点です。
次回は、そんな事業のタネを「小さく始めて形にする」ための具体的な方法をお伝えします。