【第1回】なぜ今「日常起業」なのか?

「日常からビジネスを生み出す」シリーズ
~特別な準備よりも、“気づき”から始まるビジネスのかたち~


「何か新しいことを始めたいけど、大きな一歩は踏み出せない」
そんなあなたにこそ、日常の中から始める“ビジネス”の可能性があります。


●「起業=特別な人のもの」という思い込み

「起業」と聞くと、どんなイメージが浮かびますか?
華やかなベンチャー企業、プレゼンに忙しい経営者、莫大な資金調達…。
たしかに一部の起業はそうかもしれません。でも、すべての事業がそうではありません。

 今は、ネットショップやSNS発信、クラウドファンディング、シェアサービスなどの登場により、ごく普通の人が小さく始めることが可能な時代です。
たとえば、以下のような事例があります:

  • 育児中に気づいた便利グッズを自作して販売
  • 祖母の手作り惣菜を地域限定でデリバリー
  • 散歩がてら行う「ペットの散歩代行」が口コミで人気に

これらはすべて、特別なスキルや大資本がなくても始められる“リアルな起業”です。


●「気づき」がビジネスになる時代

 ビジネスの出発点は「問題意識」や「身近な不便」です。
 大それたものでなくても構いません。

  • 「この商品、もう少し使いやすくできるのに」
  • 「あれがあったら便利なのに」
  • 「〇〇が好きな人、意外と周りに多いかも」

そんな気づきをスルーせず、掘り下げてみることが、新規事業の第一歩になります。

実際、成功している事業の多くは「自分自身の課題解決」や「近しい人からのニーズ」から始まっています。


●社会が「日常起業」を後押しする理由

 なぜ、いまこの「日常起業」スタイルが注目されているのでしょうか。
 背景には、いくつかの社会的変化があります。

1. 働き方の多様化

 コロナ禍をきっかけにリモートワークや副業が浸透し、「会社に頼らない働き方」を模索する人が増加。
自分の生活スタイルに合った仕事を求める動きが加速しています。

2. 小さな経済圏の成立

 メルカリ、BASE、note、Instagramなど、“小さなスケール”でも収益化ができるプラットフォームが増加。
1万人のフォロワーがいなくても、「100人のファン」で成立するビジネスが可能になっています。

3. 地域や共感を軸にした繋がり

 大手では対応しきれない“ニッチなニーズ”を、個人や小規模チームがうまく拾える時代に。
地域密着や個人の顔が見えるビジネスは、むしろ「信頼感」を得やすくなっています。


●まとめ:まずは「自分の感覚」を信じてみる

 「こんなこと、ビジネスになるのかな?」
 そんな一歩手前の疑問こそ、最初の大事なサインです。
 他人の目を気にするよりも、まずは自分の中にある違和感や喜びを掘り下げてみましょう。

 事業のスタートは、ビルでも資金でもなく、「自分の中のちょっとした気づき」から始まります。

次回は、そんな“気づき”をどうやって「事業のタネ」に育てていくのかを、具体的な手法を交えてご紹介します。

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